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2018年9月号

演劇・舞踊

2018年8月31日

演劇hiroba
演劇の街は、いま
大塚恵美子演劇事務所
代表 おおつかえみこ
 
 “演劇を観(み)る”行為はある意味“体力”が必要な行為であると思う。著名な劇作家の講演で「演劇は、観客の“何か”を、劇場に入る前と後とで変化させなければ意味がない」という話を聞いて、妙に納得した記憶がある。生身の人間が、全力で、観客の五感や、価値観、世界観に影響を与えようと働きかけてくるのだから、疲れるのは当然だ。逆に、劇場に入る前と後で、自分の中に何の変化も起きない作品との出会いは、あまり“劇的”でない、と言えるのかもしれない。
 何が言いたいかというと、私自身が、最近なかなか劇場に足を運べないのである。以前書かせていただいたが、下関の梅光学院中学校・高等学校で、通常授業に導入された「演劇(ドラマ)」を担当して1年半以上経(た)った。国語や英語、体育などの教科と同じ並びで、自己表現やコミュニケーションを学ぶ授業が週に1回ある環境に、生徒もようやく慣れてきた感がある。クラスによっては、お互いに全身でコミュニケーションを取り合い、見事に即興のシーンを演じることができるようになった。もちろん、数学や社会が嫌いな生徒がいるのと同様に、価値観の違う誰かと共同作業をすることや、正解のない課題に自分なりの答えを出すことに自信を持てず、不安を覚える生徒もいる。俳優が学校に行って、まるで“花火”のように非日常を持ち込むイベントチックな演劇ワークショップとは全く違う展開をせねばならない。そんなこんなで、劇場に足を運んで、俳優や作品の感情から強い影響を与えられることをためらってしまう昨今である。
 そんな私が、かなり興味深いと思う公演、ワークショップを二つご紹介したい。
 

 まずは「有門正太郎プレゼンツ」の『アリプレ大解剖!おもしろ実験室』(7月15日・16日、8月20日・21日/北九州芸術劇場創造工房内稽古場)だ。2018年3月31日付で「飛ぶ劇場」を退団し、自身の団体、通称「アリプレ」の活動に専念することとなった有門正太郎が、さまざまな年代の人々と、さまざまな“劇的なこと”を探す魅力的なプログラム構成となっている。
 

有門正太郎プレゼンツ『アリプレ大解剖!おもしろ実験室』チラシ

有門正太郎プレゼンツ『アリプレ大解剖!おもしろ実験室』チラシ


 
○プログラム1
俳優集まれ! 『テキストワークショップ』 /プロ・アマ不問
○プログラム2
映像好き集まれ! 『簡単なCM製作ワークショップ』 /初心者も大歓迎
○プログラム3
シニア集まれ! 『演劇ワークショップ』 /シニア世代もしくはシニアと一緒に演じる事に興味のある方
○プログラム4 親子集まれ! 『段ボールde想像ワークショップ』 /子ども:9歳以上

 
 
 もう一つは、「大体2mm」の『荷物はどこから来たのか 中身は何か あとどこへ置くのか』(作:藤原達郎/演出:藤本瑞樹/9月8日・9日/枝光本町商店街アイアンシアター)だ。第1回北海道戯曲賞大賞を受賞した藤原達郎の戯曲を、新たに入団した「二番目の庭」の代表でもある藤本瑞樹の演出で上演する。チラシには「とある会社の廊下で、下手から上手に延々と段ボールを運ぶだけの物語」とある。

大体2mm『荷物はどこから来たのか 中身は何か あとどこへ置くのか』チラシ

大体2mm『荷物はどこから来たのか 中身は何か あとどこへ置くのか』チラシ


 
 今年度「北九州劇団代表者会議」で『俳優賞』(名称は仮)をもうけるという企画が持ち上がっている。賞といっても、代表者会議内での選出だし、賞品があるわけではないのだが、演劇を創っている当事者であっても、親しい劇団の公演しか見に行かない傾向がある中で、なるべくたくさんの公演を見るためのモチベーションになれば、という企画だ。確かに私のように“心を揺さぶられる”ことに対して少し腰の重くなっている人間にとってはとても良い企画だといえる。
 
 もし私と同じように、日々の忙しさに疲れ気味の方々も、自分の“何か”を変えるものに出会うために劇場に足を運ばれてはいかがだろうか。北九州にはそんな演劇がたくさんある。
 


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