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清張という文学icon

2018年9月号

文学

2018年8月31日

文芸hiroba
清張アラカルト
北九州市立松本清張記念館
学芸員 柳原暁子

 

 現在開催中の「清張オマージュ展」では、松本清張への「オマージュ」(hommage、フランス語で「尊敬、敬意」の意味)が色濃い文学作品を、いくつかご紹介しています。
 村上龍「トラベルヘルパー」(『55歳からのハローライフ』所収 2012年 幻冬舎)は、清張の本を買って読むことを、ささやかな楽しみとしている60代のトラック運転手が主人公です。行きつけの古書店で出会った女性と、清張の本を通して親密になりますが――。本作において清張作品は、この主人公のような普通の人々に捧(ささ)げられているように思われます。また、女性の背景に何か訳ありなところも、清張的なのです。

村上龍『55歳からのハローライフ』2012年 幻冬舎

村上龍『55歳からのハローライフ』2012年 幻冬舎


 

 恩田陸「砂丘ピクニック」(『不連続の世界』所収 2008年 幻冬舎)には、なんと松本清張記念館が登場します。作中では“Kという町の推理小説家Mの記念館”となっていますが、「あとがき」によると、作者自身が当館に来館したことを明かしています。何でも、作家デビューした年齢が清張と同じ42歳で、「今からこれだけの量を書くのか、と圧倒され、震え上がった」そうです。これは、今回、企画展のためにいただいた寄稿からのひと言です。このように、本展に寄せていただいたメッセージを展示しているのも、見どころの一つです。

恩田陸『不連続の世界』2008年 幻冬舎

恩田陸『不連続の世界』2008年 幻冬舎


 

 東野圭吾『白夜行』(1999年 集英社)は、映画、ドラマ化もされているとても有名な小説ですが、本をお持ちの方は、最初の一ページ目を読み直してみてください。後々まで事件を粘り強く追うことになる〈笹垣潤三〉が〈久しぶりに、のんびり読書でもしようと思っていた。今日のために、松本清張の新作を読まないでいたのだ〉という記述にぶつかります。東野はエッセイの中でも〈(清張は)継続的に読んでいた数少ない作家の一人である〉と述べています。

東野圭吾『白夜行』1999年 集英社

東野圭吾『白夜行』1999年 集英社


 

 他にも、清張の「或る『小倉日記』伝」が大きな暗示のように登場する、乗代雄介『本物の読書家』(2017年 講談社)や、2018年本屋大賞第2位に選ばれた柚月裕子『盤上の向日葵』などをご紹介しています。
 清張オマージュ作品は、文学だけにとどまりません。さまざまに描かれた「松本清張」に出会うことができますので、ぜひ「清張オマージュ展」に足をお運びください。
 
 

Information
開館20周年記念 特別企画展 清張オマージュ展

【開催期間】
 7月21日(土)~10月31日(水)

【開館時間】
 午前9時30分~午後6時
 (入館は午後5時30分まで)

【会場】
 松本清張記念館企画展示室

【入場料】
 常設展示観覧料
 一般500円(400円)
 中高生300円(240円)
 小学生200円(160円)
 ( )内は30名以上の団体料金

【お問合せ】
 北九州市立松本清張記念館
 北九州市小倉北区城内2の3
 093(582)2761
 ホームページアドレス
 http://www.kid.ne.jp/seicho
 


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