昨年の舞台写真 撮影:重松美佐

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北九州芸術劇場×到津の森公園 「どこをどうぶつる」

2017.9月号

CulCul特集
北九州芸術劇場
舞台事業課 村松薫

 北九州芸術劇場はこれまで、市内のさまざまな文化施設(響ホール・文学館・美術館・漫画ミュージアム)と連携した作品づくりやワークショップなどのプロジェクトを行ってきた。ジャンルを横断して連携することによって、互いの領域の持ち味が掛け合わさって新たな価値が生まれるかもしれない。その可能性を探りながら、昨年新たに立ち上げたプロジェクトによって生まれた作品が『どこをどうぶつる』だ。

昨年の舞台写真 撮影:重松美佐

 

 北九州芸術劇場と到津の森公園という異なる文化施設が連携し、これまでにないアプローチによってダンス作品を創作した。テーマは「動物園でどうぶつをみる。劇場でにんげんをみる」。“ダンス”と“生物”の二つの観点から「にんげん」を考え、ダンス作品として描くこと。ダンサーによるワークショップや、獣医や飼育員の協力によるリサーチを行い、それらを紡ぎ合わせて『どこをどうぶつる』は完成した。
 出演には気鋭のアーティストが3人集まっている。大植真太郎は、コンタクト(体の接触)を用いた技法で独自の振付方法を築いて国内外で広く活躍している。発話しながら踊るところも特徴で、ここ数年は森山未來らとともに『談ス』というシリーズも展開している。森下真樹は、幼少期に友達づくりのために編み出した遊びがダンスのルーツだと語り、初対面の相手ともダンスを通じて仲良くなることができる。これまでに全国津々浦々のおやじたちと一緒に踊り、おやじキラーと呼ばれることもあるとか。田中馨は、言わずと知れた元SAKEROCKのベーシスト。現在は「ショピン」「チリンとドロン」「Hei Tanaka」などで活躍するほか、数多くの演劇作品への出演や楽曲提供なども手掛けている。
 稽古場ではひたすら「にんげんって、一体どんなどうぶつ?」という問いかけを繰り返しながら、クリエーションを進めていった3人。普段から獣のように肉体を駆使して踊る大植に、論理的に意見を整理しながら自分のスパイスを投入する森下、ミュージシャンでありながら2人の振付家の希望でダンスシーンがどんどん増えていった田中(そう、本作では踊りながら楽器を演奏しています)。人間以外のいろいろな動物をモチーフにして踊るシーンもあれば、コントラバスを動物に見立てて踊るシーン、人間のオスとメスの違い、踊る身体としての人間。それらに惜しげもなくユーモアを散りばめた作品となった。公演本番、客席からは子どもたちの笑い声が絶えなかった。

昨年の舞台写真 撮影:重松美佐


 今年はこの『どこをどうぶつる』を、到津の森公園の中で上演することが決まった。いよいよ動物園で「にんげん」をみせる企画となる。人間の生態を考え抜いた彼らの作品が、動物を観にきた観客たちの目にどう映るのか?観る側にとっても新鮮な体験となることだろう。本物の動物たちに囲まれて、きっと彼ら3人の「にんげん」としての面白さがより一層際立つと信じている。



Information
北九州芸術劇場×到津の森公園
「どこをどうぶつる」動物園ver.

【日程】
 10月14日(土)・15日(日) 午後2時開演

【会場】
 到津の森公園にんげん広場
 (小倉北区上到津4の1の8)

【振付・出演】
    大植真太郎、森下真樹

【音楽】
    田中馨

【料金】
    500円(当前共通・全席自由・2歳以下無料)
    ※別途、入園料が必要です 
    ※年齢制限なし

【お問合せ】
    北九州芸術劇場 
    093(562)2655