展示の様子

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杉田久女・橋本多佳子記念室オープン

2018.2月号

文芸hiroba
ようこそ文学館へ 
北九州市文化企画課・北九州市立文学館

 

俳句と北九州
 俳句は、日本独自の短詩文芸です。5・7・5の17音を定型とすることから、世界で一番短い詩〈HAIKU〉として海外でも知られています。
 北九州市は、多くのゆかりの俳句作家を輩出してきました。特に女性俳句の草分けである杉田久女と、久女から手ほどきを受け、戦後に活躍した橋本多佳子は「文学の街・北九州」の誇りです。「久女を育み、多佳子を生んだ俳句の地」を掲げる「全国俳句大会IN北九州」(3月3・4日開催)も今年で17回目を迎えます。
 杉田久女と橋本多佳子の豊かな情趣の言葉に出会っていただきたく、日本文化を紹介し外国人の来館者も多い、北九州市立小倉城庭園内に「杉田久女・橋本多佳子記念室」を開設しました。

北九州市立小倉城庭園 外観

 

杉田久女と橋本多佳子
 杉田久女(1890〜1946年)は鹿児島県生まれ。1909(明治42)年、旧制小倉中学校の図画教諭杉田宇内と結婚し小倉へ転居します。大正時代から昭和の初期、俳句雑誌「ホトトギス」を舞台に活躍しました。32(昭和7)年、主宰誌「花衣」を創刊し、「ホトトギス」の同人となりますが、わずか4年で同人を「削除」されます。没後の52(昭和27)年、初めての句集『杉田久女句集』が刊行されました。
《代表句》
花衣ぬぐやまつはる紐いろ〱
足袋(たび)つぐやノラともならず教師妻
無憂華(むゆうげ)の木蔭はいづこ仏生会(ぶっしょうえ)
谺(こだま)して山ほととぎすほしいまゝ
むれ落ちて楊貴妃桜尚あせず

 橋本多佳子(1899〜1963年)は東京市本郷生まれ。実業家橋本豊次郎と結婚した後、20(大正9)年、小倉中原(現・北九州市小倉北区)に新居として櫓山荘(ろざんそう)を建てます。22(大正11)年、高浜虚子を迎えた櫓山荘での句会をきっかけに杉田久女から俳句の指導を受けました。大阪に転居して山口誓子に師事。誓子主宰の「天狼」へ参加すると同時に「七曜」を創刊、のち主宰を務めました。
《代表句》
月光にいのち死にゆくひとと寝る
雪はげし抱かれて息のつまりしこと
乳母車夏の怒濤(どとう)によこむきに
いなびかり北よりすれば北を見る
月一輪凍湖一輪光りあふ

左、杉田久女。2人おいて橋本多佳子

 

記念室のみどころ
①直筆資料の展示
 北九州市立文学館資料をはじめ、かごしま近代文学館、圓通寺(えんつうじ)や個人の所蔵品など、久女と多佳子の美しい直筆資料を一堂に集めて展示しています。
②橋本多佳子の遺愛品
 橋本多佳子が後半生を過ごした奈良で身の回りに置いた調度品や愛用の着物を紹介しています。
③櫓山荘をしのぶ品々
 北九州の文化サロンとしてにぎわい、久女と多佳子の出会いの場ともなった櫓山荘の跡地は現在、櫓山荘公園として整備されています。このたび、かつて櫓山荘に置かれていた灯籠、榻(とう)(長椅子、写真右下) 、蹲(つくばい)(手水鉢/ちょうずばち)の3点が小倉城庭園に移設されました。在りし日の櫓山荘に思いを寄せていただければ幸いです。

櫓山荘


小倉城庭園の売店コーナーもリニューアルしています。
みなさまのご来場をお待ちしております!

展示の様子

 

Information
杉田久女・橋本多佳子記念室

北九州市小倉北区城内1の2 
北九州市立小倉城庭園内

【開館時間】
 午前9時〜午後5時
 (4〜10月は午後6時まで)

【観覧料】
 一般300円 
 中高生150円 
 小学生100円
 (小倉城庭園入館料として)
 3施設(小倉城庭園、小倉城、松本清張記念館)共通券、団体(30人以上)割引等あります

【お問合せ】
 093(582)2391(文化企画課)
 093(582)2747(小倉城庭園)