北条司『シティーハンター』

漫画

| 漫画, 郷土ゆかりの文化人, 北九州市漫画ミュージアム, 学芸員, 漫画家 |

愛され続ける作品の魅力を探る“シティーハンターのすべて”

2017.8月号

漫画hiroba
漫画と北九州
北九州市漫画ミュージアム 
学芸員 石井茜

 1985年から91年まで「週刊少年ジャンプ」に連載され、テレビアニメ化などを経て大ヒット作品となった漫画『シティーハンター』。日本のみならず、東アジアを中心に世界的な人気を誇ります。北九州市出身の漫画家・北条司の代表作である同作は今年で連載開始から32周年、そしてアニメ化30周年を迎えます。


 東京・新宿で、街の掃除屋(スイーパー)“シティーハンター”として生きる、美女に目がないナンパ男だが超一流の射撃の腕を持つ冴羽獠(さえばりょう)。パートナーの槇村香(まきむらかおり)とともに、依頼人のさまざまなトラブルを解決していく…というのが物語の大筋ですが、この作品の魅力は簡単には語り尽くせません。
 「魅力」の重要なポイントとして、「キャラクター」「ストーリー」そして作者の「描画力」の三つが挙げられます。
 普段はおちゃらけた三枚目だけど決めるときはビシッとクールに決める主人公・獠をはじめ、猪突猛進な正義感と優しい心を併せ持つ相棒の香、敵役として登場し後にシティーハンターの頼れる仲間となる「海坊主」こと伊集院隼人、そして各エピソードに登場する美しく華やかな女性ゲストなど、実に数多くの個性豊かで愛嬌(あいきょう)のあるキャラクターたちが登場する『シティーハンター』。キャラクター造形の秀逸さは、それぞれのキャラが読者の性別に関わらず愛されていることから分かります。
 そんな魅力的なキャラたちがコミカルで時に“アツい”ストーリーを繰り広げるのですが、シリアスとギャグをテンポ良く配分した緩急ある構成は、連載当時のメイン読者である10代だけでなく、どのような年齢層であっても楽しめるもの。突き抜けたスラップスティック・コメディに、ワクワクする迫力のアクションシーン、獠と香の煮え切らない関係といったドキドキする人間関係の描写など、エンターテインメント作品に必要な要素が詰まっています。

北条司『シティーハンター』


 そして作品の魅力の根幹を担っているのは、なんといっても、北条司の卓越した描画力。キャラクターの喜怒哀楽をダイレクトに伝える表情の表現や、美しく力強い肉体の描写。緻密な描線や印象的な陰影で表現されたリアリティのある風景やモノ。読みやすく、かつスタイリッシュな画面構成は、読者を作品世界に没入させる力を持ちます。驚くべきは、6年間の連載期間中に描画力が飛躍的に研ぎ澄まされていくこと。その進化し続ける姿こそ、漫画家・北条司の真骨頂といえるかもしれません。
 北九州市漫画ミュージアムで7月29日(土)、特別展「シティーハンターのすべて」が開幕します。直筆漫画原稿やアニメ関連資料などを展示する本展では、30年余りにわたって幅広い層の読者に愛され続ける『シティーハンター』の魅力を、ここまでご紹介した「重要なポイント」を含め、さまざまな角度から解き明かします。ぜひ会場で“魅力の秘密”をご確認ください!



Information
北九州市漫画ミュージアム開館5周年記念特別展
「シティーハンターのすべて」

【開催期間】
 7月29日(土)〜9月24日(日)

【場所】
 北九州市漫画ミュージアム企画展示室
 (あるあるCity5F)

【開館時間】
 午前11時〜午後7時
 (入館は午後6時30分まで)
 夏休み期間:7月21日(金)〜8月31日(木)
 午前11時〜午後8時
 (入館は午後7時30分まで)

【休館日】
 毎週火曜日(夏休み期間は無休)

【入館料】
 一般600円 
 中高生300円 
 小学生150円 
 ※小学生未満無料
 ※詳しくは北九州市漫画ミュージアムのホームページをご覧ください
  http://www.ktqmm.jp/
 ※特別展のためこども文化パスポート対象外

【お問合せ】
 北九州市漫画ミュージアム 
    093(512)5077