『地球(テラ)へ…』&SFコーナーより

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竹宮惠子 カレイドスコープ -50th Anniversary- のみどころ

2017.12月号

漫画hiroba
漫画と北九州
北九州市漫画ミュージアム 
学芸員 柴田沙良

 

 北九州市漫画ミュージアムでは現在、漫画家・竹宮惠子の画業50年をたどる展覧会を開催しています。「竹宮惠子 カレイドスコープ -50th Anniversary-」と題した今回の展示では、肉筆原画、作家自らが手掛けた精緻な複製原稿である「原画´(ダッシュ)」、ファンが制作した人物相関図やキャラクター解説、クレイドールなども紹介しています。また、竹宮の書斎や、1970年代初頭に萩尾望都ら漫画家仲間などとともに暮らしていたアパート「大泉サロン」の一角も、作家が描いた見取り図などからイメージ再現を試みました。

書斎イメージ

 

 10月7日の開幕日には作家が来場し、トークとサイン会を行いました。トークでは活動初期から近況まで、ファンを前に活動を振り返りました。若い頃は自分の漫画が掲載されたとしたらどんなページ構成になるだろうかなどと思案しながら、(漫画の構成の)勉強をしていたこと。作家活動の中で、向かい風に思われるものが竹宮自身には原動力として感じられたり、常に新しいものに出会ったりしていく作家としての自分のありようなど、長い50年が歯切れの良い口調で語られました。
 竹宮は20代の一時期、作品を発表し続けるものの、スランプに陥っていました。登場人物も含め既に一つの明瞭な形をとっていた「風と木の詩(うた)」の構想は、すぐには編集部の理解が得られませんでした。結局、少女漫画表現の革新につながった「風と木の詩」は、76年の『週刊少女コミック』での発表までに数年を要しました。今回展示している「風と木の詩」の創作クロッキーノートは、連載開始となる随分前に描きつけられていたものです。冒頭は掲載された1話目と同じコマ割りで構成してあり、作品の原型が見て取れる1冊です。
 竹宮は「天馬の血族」という長期連載作品が終了した後、2000年から京都精華大学マンガ学科に教授として、14年からは学長として、石ノ森章太郎などをはじめ漫画の先達者たちによって培われてきた技術や精神を伝える日々を送っています。「風と木の詩」の構想の聞き役ともなり、「変奏曲」シリーズの原作者である増山法恵などの理解者にも恵まれながら、心をこめて描き続けてきた竹宮惠子の展覧会に、ぜひ足を運んでいただければと思います。

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Information
竹宮惠子 カレイドスコープ -50th Anniversary-

【会場】
 北九州市漫画ミュージアム企画展示室
 (あるあるCity5F)

【開催期間】
 10月7日(土)~12月10日(日)

【開館時間】
 午前11時~午後7時
 (入館は午後6時30分まで)

【休館日】
 毎週火曜日
 年末年始(12月31日〜1月2日)

【入館料】
 一般800円 
 中高生400円 
 小学生200円 
 ※小学生未満無料
 ※詳しくは北九州市漫画ミュージアムのホームページをご覧ください
  http://www.ktqmm.jp/

【お問合せ】
 北九州市漫画ミュージアム 
 093(512)5077