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本物を見極める力

2017.10月号

いろはにぴあの 永野栄子

 

 霧島国際音楽祭に行ってきました。世界に誇れるこの音楽祭も今年で38回目を迎えます。
 今年のピアノの講師陣には、長らく私が『神!』と仰いでいるエリソ・ヴィルサラーゼさんがいらっしゃるとのこと。生徒に「ぜひレッスンを受けるべきだ!」と勧め、晴れて受講許可をいただいて、充実のレッスンを受けることができました。
 『鬼のレッスン』で有名なエリソ様。今年75歳になるはずですが、その年齢を全く感じさせません。指示は1小節ごとに飛んで来ます。細かい細かい。少しのムラも見逃しません。通訳の方が訳す隙間さえ無いほど、しゃべるしゃべる。受講生たちも大変優秀な若手ばかりなので、瞬時に反応し、演奏がみるみる立体的に、カラフルに、躍動的に変化していきます。
 日本の教育は、何の分野でも、平均値を上げるのは天才的にうまいと思うのですが、超上級者のレベルを引き上げることは、残念ながら得意ではない気がします。トップレベルの子どもたちは、ぜひともこういう機会を利用して、視野を広げてほしいです。大人は子どもが挑戦しやすい環境を作り、何よりも大人自身が本物を見極める力を養って、「この子は!」と思う子どもをとことんバックアップする体制を整えたいですね。