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コンクールは成長する

2017.11月号

いろはにぴあの 永野栄子

 現在、日本国内にはいくつのピアノコンクールがあるのだろう。私も毎年いくつか審査をさせていただくのですが、今さらながら、「コンクール主催者の価値観が参加者の演奏に、そしてコンクールの成長に大きく反映される」ということに気づかされました。「どんな演奏家を育てるために、何のためにコンクールをするのでしょうか」。
 そんな中、毎年11月に行われ、今年14回目を迎える『中津 Andie Musik ピアノコンクール』は、中津近辺のピアノの先生方が「良い演奏会を聴きに行く習慣のない生徒さんたちに、どうすれば広く音楽に興味を持ってもらえるか」と考え、始めたものです。「人の心に響く演奏とは」、「演奏は行間に意味がなくてはならない」という確固たる信念の下、価値観を共有できる先生に審査をお願いしているそうで、不思議と参加者の演奏や選曲も、ただ弾くだけではない、心に訴えかけるものに多く出会えます。コンクールを受ける子どもたち、さらにはコンクールそのものが、この14年で確実に良い方向に成長していて、この「意味のあるコンク―ル」にうれしくなります。
 『正しい嗜好・価値観』を学んだ子どもたちが成長して、固定概念にとらわれない世界をつくり上げてくれる、そんな日がまもなく訪れるはずです。