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音符から聴こえてくる言葉の違い

2017.12月号

いろはにぴあの 永野栄子

 

 学校や幼稚園などで演奏する際、うれしいことに、以前と比べて複数の国にルーツのある子どもさんを多くお見かけするようになりました。陸続きのヨーロッパや多民族国家のアメリカなどのように、これから先、もっともっと増えていってほしいと思います。
 先日、北九州で行われたピアノのコンクール参加者にも同様の女の子がいらっしゃいました。この女の子の演奏が、大変印象に残りました。全員がほとんど同じ課題曲を演奏し、皆、とてもよく弾いています。そして、彼女は最後の演奏者でした。弾き始めた瞬間、私は「あーっ」と声を上げそうになりました。同じピアノ、同じ曲なのに、紡ぎ出してくる言語が明らかに違う。音符から聴こえてくる言葉が、それまでの演奏者とは全く違うのです。今までも、国際コンクールで国民性の違いを感じることは多々あったのですが、日本の子どものコンクールで、ここまではっきりと感じたのは初めての経験で、衝撃でした。グローバル化が進んで、音楽文化も障壁なく活発に行き来していますが、西洋音楽が日本人の血肉になるには、またそうならずとも、日本人らしさを失わず、真の国際化を目指すにはどうすればよいのでしょうか。見知らぬ彼女の演奏を聴きながら考えたコンクールでした。