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早期音楽留学の壁

2017.5月号

いろはにぴあの 永野栄子

 1年ぶりに浜松国際ピアノアカデミーを聴講してきました。今年が21回目。しかし、中村紘子さんのご逝去で、これが最終回になるそうです。国際的な、最先端の講師陣によるレッスンを、充実した環境において日本で受けられる貴重なチャンスだったので、本当に残念です。
 今回はロシア人二人のレッスンを聴講しました。感想は、ひと言「格が違う!」。演奏、教える情熱、知識、ユーモアのセンス、何を取ってもかなわない。日本にも素晴らしい先生は多くいらっしゃいますが、何かが違うのです。そして、改めて「可能性のある子どもは、早い時期に海外に出て学ばなければダメだ」と強く思いました。しかし、これには高い高い壁があります。九州の一般家庭では、音楽教育のために義務教育途中で子どもを留学させる決心をするのは、きっと不安が多いと思うのです。安全面、経済面、将来のこと…。スポーツ界では海外遠征・合宿など当たり前に行われているのに、音楽の世界ではなかなか広がりを見せません。意欲的に学ぼうとする子どもたちへの、もっと安定した後押しが必要です。中村紘子さんの後を引き継いでくださるような大きな方はいつか現れるのでしょうか…。亡くなられて今、その存在の大きさをひしひしと感じています。